小百合はシャワーでトレーニングの汗を流しきると、すぐにベッドへうつ伏せに寝転んだ。

夜の10時。

小百合の部屋は西日が強く当たる方角で、夏の夕方にはじりじりと肌が焼ける感じがして

肌に良くないのかと思うとどうも長くいられない。今日もそういった理由で夕方から

ジムへ行きトレーニングに励んだ。励みすぎて遅くなってしまったが。

美由紀も一緒におり、どちらがトレーニングで根負けするかの勝負が原因で遅くなった。

 

 

部屋の電気を消すとそのままスーッと眠りにつく。

 

 

はずだった。が、何故か眠れない。

これほどジムで練習して汗だくになったのに眠れない。

 

ゴロンとそのまま仰向けになり天井をしばらく見た後、とっさに上半身を起こした。

「きっとまだ汗を流したりないんだ、うん」

独り言の後、自分の部屋のトレーニングエリアを確認する。

縄跳びは余裕で出来るほど部屋のスペースを空けており、それがトレーニングエリアだ。

 

「縄跳びでもするか」

軽くステップする程度なので隣の部屋の住民にも迷惑はかからない。

「縄跳び……わっと」

そう言いながらスポーツバッグを空けて小百合は驚いた。

美由紀のスポーツバッグを間違えて持って帰ってきたらしい。

 

「ありゃー」と小百合は頭をぽりぽりと掻いた。もう夜の10時なので今から連絡するには

少し遅い。

「それにしても乱雑にモノが詰め込んであるわねぇ」

小百合はブツブツ言いながらバサバサとバッグをひっくり返して中の物を全部出す。

生理整頓しないと。

小百合はそこでふとある物に目が釘付けになった。

 

マウスピースケース

 

ドクンと心臓が跳ねる音がした。

「せ、生理整頓の為に開けるんだよ」

小百合は自分に弁解するように言いながらマウスピースケースを開けた。

純白のマウスピースがヌラヌラと光っている。

洗っていない。きっと帰ってから洗うつもりだったのだろう。

「洗わないとね……」

美由紀のマウスピースをケースから取り出してちょこんと手のひらに載せる。

ライバルのマウスピース使用済み。

ライバルの口の中をありありと証明する歯型のついた不恰好な物体。

思わず匂いを嗅いで見る。

 

少し時間を得ている為に少し唾液が匂う。鼻にツンとするような匂いだ。

はっきり言ってクサイ。だがそれが逆に小百合を興奮させた。

あれだけ明朗で頼りがいのある美由紀のマウスピース、それも異臭を放っている。

(あの美由紀の……)

重くのしかかる背徳感。自分は何故これほどまでに胸を高鳴らせているのだろう?

ただの変態では無いか?

だが妄想は止まらない、頭の中でいつもの明るい美由紀、パワフルな美由紀が頭に浮かんで

離れない。

そんな激しい妄想の中、鼻をひたすら鳴らす。

ああ、あの美由紀がこんなに不恰好なものを口に入れてる、こんなにクサイ物を。

唾液が半渇きで小百合の指の間で美由紀の唾液がニチャッと糸を引く。

 

それを見た瞬間、背徳感は吹き飛んでしまった。

それと同時に股間に熱いものを感じる、どうやら濡れてしまったらしい。

 

「欲求不満があるなら解消……しなきゃ」

小百合は下着姿になり、おそるおそる指を局部へ持っていく。

くちゅっとパンツの中で音がした。これは相当濡れている。

小百合は左手に美由紀のマウスピースを持つと鼻を押し付け、脳まで届くような

ツーンとした異臭を嗅ぎながら右手をパンツの割れ目ごしに擦る。

 

「くッッ!」

小百合は少し声を出してしまった。あまり声をあげると隣の住民に不振がられる。

そんな中、クチュクチュクチュクチュと部屋に汁音が響き渡っている。

正確に言うとレズでは無い。だが普通の友達関係とはまた違う

小百合にとって美由紀は特別な存在だ。

そんな特別な存在だからこそこういった表にあまり出ることの無い汚いマウスピースが

ここに存在している事にギャップを感じて欲情している。

 

小百合はパンツをゆっくり脱いだ。

股間の部分が相当濡れているというか、水に漬けたかのように愛液がニチャニチャと

しみこんでいる。

床にパンツを投げ捨てるとビチャッと音がした。フローリングを掃除するハメになったが

今はそれどころでは無い。

 

指でまずはクリトリスを確認する。充血して大きくなっている。そして局部は

本能通り男性器を受け入れるように同じく充血して開いており

膣口へ指を持っていくと、ドロドロと愛液が溢れ出して来ていた。

 

「これってただの変態じゃないの」

小百合は何度も何度も自分に言い聞かせる。

「私は今は変態で良い」という開き直りに結びつけるように。

 

膣口に指を入れると熱い。火照るとはこの事を言うのだろうか?

出来るだけヒダを刺激するように指を出し入れする。

「くっっっ!」

声が出そうだが我慢する、それだけの理性は保てているようだ。

そうやって粘膜を擦りながら何度も何度も美由紀のマウスピースを嗅ぐ。

 

ふいに膣口から出る液体にドロッとしたものを感じた。

「本気……汁だ」

きっと明かりを付ければ白い粘液が見て取れただろう。

ねばついた指をしゃぶってみる。

 

「……酸っぱい」

塩味をすっぱい方向へ少しスライドしたような味が口の中に広がった。

 

「これ位、許されるよね、洗って返すんだし」

小百合は暴走していた。

もうこれ以上は無いという位にツーンとした唾液の匂いは満喫した。

じゃあ美由紀のマウスピースに「犯して」もらおう。

 

マウスピースの片方を膣口から入れる。

簡単にニュルリと入った。

「あッッ!」

小百合は少し声をあげてしまった。

だが気にせずマウスピースを挿入する。

そして指の変わりに粘膜をこする。

マウスピースのでこぼこした形がヒダに引っかかり尋常では無い程の快楽が脳天を突き抜ける。

 

二つの要素があった。

     美由紀のマウスピースに犯される

     美由紀のマウスピースを一番汚くて臭い部分に入れてやる

相反するものだがどちらに転んでも快楽に繋がるように出来ていた。

 

やがて絶頂の波の片鱗を見た。

何かが体から解放されそうな予感がする。

ゆっくりとゆっくりと波が近寄ってくる。

マウスピースをこすり付ける動作が速くなる。

 

そして絶頂が訪れる時、小百合は固まっていた。

「あうっっっっっ!」

ひときわ大きな声を出すと、小百合は縮こまるような格好をしながらビクンビクンと体を痙攣させる。

突っ込んだままの美由紀のマウスピースが大量の粘液にまみれながらブリュッと飛び出した。

一分程体の痙攣はおさまらずに小百合はその間、絶頂を感じていた。

やがて静かに波は去り、素の小百合が表に出てきた。

 

「……やっちゃった」

小百合は頭を抱えた。

 

 

 

 

次の日

小百合がスポーツジムに行くと美由紀が丁度いた。

「あ、ああ美由紀」小百合がぎこちない。美由紀を見ると

昨日のオナニーに対しての罪悪感がどうしても顔を出す。

だが

「あ、ああ小百合」

美由紀もぎこちない。

 

「あ、あの、マウスピースも洗っといたから」

小百合がバッグを差し出す。

「あ、ああ、こっちも洗っておいた」